
わびさびの心を、髪から
日本が世界に誇る独特の美意識――それが「わびさび」です。
閑寂・清澄・空々寂々といった静けさや澄んだ空気感の中にこそ、そのもの本来の美しさが宿るという考え方は、室町時代中期に生まれ、千利休によって大成されました。
現在の形となったのは、さらに約300年後の江戸時代のことです。
「わびさび」という言葉は、
- わび【侘ぶ】… 気落ちする・つらい
- さび【寂ぶ】… 古くなる・色あせる
という、もともとは否定的な意味を持つ二つの動詞から生まれました。
しかし茶の湯や俳諧の世界では、それらが「美」を表す言葉へと昇華されています。
古びた陶器、趣ある建物、苔や落ち葉に感じる情緒――。
それらに心惹かれるのは、きっと私たちの中に、この「わびさび」の精神が深く根付いているからなのでしょう。

現代への問いかけ
この30年ほどで、私たちの暮らしは驚くほど変わりました。
衣・食・住のすべてが快適で簡単になり、子どもの頃に夢見たSF映画の世界は、もうすぐ手の届くところまで来ています。
しかし、便利さを追い求める過程で、私たちは多くの「本当の豊かさ」を手放してきたのかもしれません。
- おしゃれは数多くの洋服を着こなすこととされ、和服の文化は急速に姿を消しています。
- 手間をかけずに美味しい料理が作れる一方で、原因の分からない病気が増えています。
- 高層ビルが立ち並び、伝統的な日本家屋は減り続けています。
発展は素晴らしいことです。
できなかったことができるようになり、可能性は広がり続けています。
――けれども、「わびさび」が示す“日本らしさ”は、日々薄れつつあるのではないでしょうか。
だからこそ、私たちは失われつつある“日本らしさ”を、美容を通して次の世代へ繋げたいと考えています。

wasabiが目指すこと
「和」 ― 大和心。人と人が調和し、互いを尊び合う心
「醒」 ― 意識が目覚め、心が花開く瞬間
「美」 ― 神が創造した、本来の美しさを体現すること
美容室 wasabi は、美容という仕事を通じて、お客様が持つ“本来の良さ”――すなわち「自分らしさ」に気づき、それを輝かせるお手伝いをしています。
髪は、一人ひとりが持つ特別な個性です。
「クセ毛」「直毛」「剛毛」「猫毛」――そのどれもが、唯一無二の魅力を秘めています。
多くの方は自分の髪に満足できず、他人の髪を羨ましく思いがちです。
しかし実際には、「わたしの髪も、誰かが憧れる最高の素材」なのです。
この事実に気づいたとき、人はもっと自然体で、もっと自分を好きになれるはず。
だから wasabi は、フルオーダーメイドで、その人が最高に輝くヘアスタイルをデザインしています。

フルオーダーメイドカットのこだわり
美容師と料理人には、よく似たところがあります。
料理人は、肉・魚・野菜など、それぞれの特徴や質を見極め、最適な調理法を選び、その素材が最高に「活きる」一皿を作ります。
美容師も同じです。私たちの扱う素材は「髪」。
「クセ」「髪質」「毛流」「毛量」「骨格」――一つとして同じものはありません。
そのすべてを見極め、お客様が最も輝くスタイルを形にしていく。
それには、どうしても時間と手間がかかります。
高級な料理ほど、丁寧な下ごしらえや火加減にこだわるように、私たちも一人ひとりの髪と向き合う時間を惜しみません。
だからこそ、wasabi では一日のご予約人数を限定し、お客様それぞれに最高の仕事をお届けしています。

wasabi 誕生ストーリー
「ほんまもんの商売がしたい」――
振り返れば、この想いこそが wasabi 誕生の原点です。
美容師として働く中で、ずっと心に引っかかることがありました。
- なぜ雑誌のヘアスタイルを見ながらカットするのだろう?
- なぜ家では再現できない髪型をつくるのだろう?
- なぜできない理由を髪質のせいにするのだろう?
数えればきりがありませんが、一つだけはっきりしていることがあります。
「自分がされたら嫌なことは、お客様にもしたくない」ということです。
だから wasabi では、こんな約束をしています。
- ヘアカタログは見ません ― あなたの顔を見てカットします
- サロンだけの髪型はつくりません ― 365日まとまる髪型を提案します
- 髪質を笑いません ― 髪質を活かしたスタイルをつくります
私たちが考える「ほんまもんの商売」とは、
“本当にあなたのためを思える仕事”です。
それが、wasabi の変わらぬ信念です。
あなたの髪の魅力を引き出す一歩を、wasabiで
髪は、あなたの個性そのもの。
私たちはその個性を、最高の形で輝かせます。
ぜひ一度、あなたの髪と本気で向き合う体験をしてみませんか。
鏡に映る自分が、今よりもっと好きになる――
そんな瞬間を、wasabiで一緒に見つけませんか。
ご予約・お問い合わせを心よりお待ちしております。
